General
一般歯科・小児歯科
歯と歯ぐきの健康をサポートする広い分野の歯科診療
一般歯科とは、むし歯や歯周病などの一般的な歯科疾患の診断・治療・予防を行う歯科分野のことを指します。
広い分野の歯科疾患の治療を通して、歯と歯ぐきの健康維持を目指す分野です。
診療内容は、主に歯と歯ぐきの治療やメインテナンスなどの歯科診療ですが、当院では定期的な検診を行い、早期発見・早期治療にも力を入れています。
また、定期的な歯のケアをする中で、セルフケアに役立つアドバイスもしています。
むし歯治療
むし歯菌を原因とする歯科疾患
むし歯は、むし歯菌が原因で歯の表面に穴が空く疾患です。進行すると、歯の神経や組織にまで影響を及ぼし、痛みのみならず最悪の場合、抜歯につながることがあります。
そのため、早い段階でむし歯の進行を抑え、歯を健康な状態に保つことが重要です。
当院では、段階に合わせたむし歯治療だけでなく、定期的な歯科検診を受けることをおすすめしています。
むし歯の進行度合い
むし歯は通常、進行度合いによってC0～C4の段階に分類されます。
要観察歯（C0）
初期の小さなむし歯では、歯の表面が白っぽく濁って見えることがあります。
ごく初期段階のため「要観察歯」と呼ばれています。
治療法
むし歯菌による影響が少ないため、クリーニングやフッ素塗布などを行い、できるだけ削らずに経過観察を行います。
エナメル質のむし歯（C1）
歯の表面のエナメル質の一部に小さな穴が空いている状態です。むし歯の範囲はまだ比較的小さいです。
治療法
多くの場合、むし歯を正確に削り取り、詰め物をします。状況によっては、削らずに定期的なチェックを行うこともあります。
象牙質に達したむし歯（C2）
むし歯がエナメル質の奥の象牙質まで達している状態です。象牙質は神経に近いため、食べ物や飲み物の温度刺激により、痛みを感じるようになります。
治療法
基本的には、むし歯を削り取って詰め物をします。症例によっては、歯を大きく削り、被せ物を装着することもあります。
当院では、銀歯・レジンと言われる保険治療とセラミックなどの自費治療をご用意しております。自費治療はこちらをご覧ください。
歯の神経に達したむし歯（C3）
歯の神経がむし歯菌に感染し、強烈な痛みを引き起こします。
場合によっては、炎症により神経が死んでしまい歯の根の先に膿が溜まっていることもあります。口臭の原因にもなります。
治療法
基本的には、根管治療を行います。細菌に感染した組織を除去・清掃・殺菌して、被せ物を装着します。
当院では、銀歯・レジンと言われる保険治療とセラミックなどの自費治療をご用意しております。自費治療はこちらをご覧ください。
歯根まで達したむし歯（C4）
歯の大部分が失われている状態です。痛みもさることながら、根の先に膿が溜まっていると、顎の骨や周囲の歯に悪影響を及ぼし、そのまま放置すると非常に危険です。
治療法
この段階まで進行すると多くの場合、抜歯を検討します。抜歯後は入れ歯やブリッジ・インプラントなどの治療をご提案します。
根管治療
根管治療では、まず根管内に蓄積した汚染物質と感染した神経を徹底的に除去します。その後、根管を隅々まで丁寧に洗浄・消毒し、再感染を防ぐため薬剤を充填します。根管治療が完了したら、支台を構築し、最終的に被せ物を装着して治療を終了します。
根管治療は高度な技術を要する治療ですが、当院では熟練した歯科医師が歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を使用して行います。
当院ではマイクロスコープを用いて治療を行っています
当院では、全ての治療で拡大鏡を使用しますが、積極的にマイクロスコープも使用しています。
特に、歯の内部を治療する根管治療では、マイクロスコープを使用することで、肉眼や拡大鏡でも認識できない細かな部分をはっきりと見ることが出来ます。再発の可能性を限りなく低くする治療が実現します。
Point
マイクロスコープの拡大視野
肉眼とマイクロスコープの主な違いは、観察できる範囲と精度にあります。
肉眼は、裸眼で見える範囲内のものしか見ることができません。この場合、歯の表面や一部の欠損は見ることができますが、根の内部や細かな部位は見ることができません。
一方、マイクロスコープは、肉眼では見ることができない微細な部分を拡大して観察することができます。
照明や拡大率を調整することで、より正確で詳細な観察と治療が可能です。
むし歯治療後の処置
自分の歯に馴染む色の被せもの
むし歯治療を行った箇所の被せ物は一昔前までは金属製の被せ物が主流で、いわゆる銀歯と呼ばれるような状態になっていましたが、現在ではセラミックを用いた元々の歯に近い被せ物をすることが出来るようになっています。
口を開けた際にも違和感がないため、人前で笑ったりする時も特に気になりません。
違和感の少ないインプラント治療
従来の差し歯は衝撃が加わると外れてしまうこともあり、差し歯がとれた！という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インプラント治療では、そのような心配をする必要がほとんどなく、自分の歯と同じ感覚で日常を過ごしていただくことが出来ます。
歯の移植治療
当院では、歯のダメージが大きく、人工物を入れることができない場合は、患者さまの親知らずを移植して治療を行うケースがあります。
ご自身の歯を移植するため、拒絶反応などもほとんどなく、安全性の高い治療法です。
歯周病治療
静かに進行する注意すべき歯科疾患
国民病とも言われる歯周病は多くの方が罹患しており、むし歯と並ぶ身近な口腔トラブルの一つです。
歯周病は自覚症状があまり出ないため、症状に気づいた時にはかなり進行していることがあります。
歯周病は、日々の丁寧なオーラルケアで予防することが出来る疾患ですが、進行を放置すると歯を失う大きな要因にもなります。的確で丁寧なブラッシングと定期的な歯科検診で、早期発見・早期治療を心がけて、大切な歯を失わないようにすることが大切です。
歯周病の進行度合い
歯がぐらぐらする
歯ぐきが腫れている
歯ぐきから出血する
歯が伸びた気がする
（歯ぐきが下がった）
冷たいものがしみる
起きたときに
口の中がねばつく
口臭が気になる
歯石がたまっている
Point
歯周病と全身疾患
歯周病は、全身の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
歯周病菌は、歯ぐきの毛細血管などから体内に侵入し、強い毒素を放出しながら全身を巡ります。
その結果、動脈硬化に伴う心筋梗塞などの心臓病や、糖尿病の発症・進行との関連性が指摘されています。
歯周病と関係性を示唆される全身疾患
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 糖尿病
- 腎障害（腎炎）
- 誤嚥性肺炎
- 早産や低体重児の出生リスク
- 関節リウマチ
- 骨粗しょう症
- 生活習慣病
歯周病の進行度合い
健康な状態
歯周病を罹患する前の健康な歯です。
健康な状態でも普段からをオーラルケアを続けていくことが重要です。
歯肉炎
細菌の毒素により歯ぐきに炎症が生じ、赤く腫れた状態です。
痛みなどの自覚症状はほとんどありません。この段階でのクリーニングやメインテナンスを怠ると、症状がさらに悪化してしまいます。
軽度歯周炎
歯ぐきに軽度の炎症が生じ、歯磨き時に歯ぐきから出血することがあります。
歯と歯ぐきの間には歯周ポケットが形成され、歯垢や歯石が付着しやすくなります。
中等度歯周炎
歯周病菌により歯槽骨が溶かされ始めています。歯周ポケットも深くなり、汚れが溜まりやすい状態です。
口臭が気になったり、歯がグラつく感覚を覚えたりすることが増えてきます。
重度歯周炎
歯槽骨の半分以上が破壊され、歯を支えることが難しくなっています。歯を指で押すとグラつきがはっきりとわかり、歯ぐきから膿が出ることもあります。歯が抜け落ちるリスクが高いため、迅速な歯科治療が必要です。
歯周病治療の基本の流れ
歯周検査
歯と歯ぐきの状態を確認します。
歯周病の進行度合いを把握するため、歯周ポケットの深さを測ったり、レントゲン撮影をします。
基本治療
(スケーリング・PMTC)
まずは、歯周病の起こる原因を説明し、知ってもらいます。
歯の表面に付着した歯垢・歯石・着色汚れなどを歯科衛生士が徹底的に取り除きます。
ブラッシングの
チェック・指導
お口の中の環境（歯の並びや状況）は人それぞれです。また、口腔内の炎症は病気や服用薬にも影響されやすいため、お口に合ったブラッシング方法を身につけてもらいます。
患者さまに状況を説明し、次のステップもしくは定期検診へ移行します。
歯周検査
基本治療（スケーリング・PMTC）が終わり、歯ぐきの改善具合を評価します。
歯周ポケットが4ミリ以上ある歯や、歯肉の炎症が改善されない場合には、状況を説明し、次のステップへ移行します。
歯周治療（SRP）
2度目の歯周検査後、歯周ポケットが4ミリ以上ある場合や、歯肉の炎症が改善されない場合には、歯槽骨が溶けていくことをくい止めるため、専用の器具を用いて直接ポケット内をきれいにして菌の数を減らします。
再検査
歯周治療（SRP）が終わり、歯ぐきの改善具合を評価します。
患者さまに状況を説明し、次のステップもしくは定期検診へ移行します。
歯周外科治療
歯周治療でポケットの深さが改善されない部位に対して、ポケットの深さを減少させることを目的として外科手術をします。
また場合によっては、骨の再生療法も行います。
セルフケア・定期検診
歯周治療後、ポケットの減少や、炎症が軽減し、安定するとメインテナンス（定期検診）に移行します。
指導を受けたブラッシングを継続してもらいます。定期検診は3～6ヵ月ごとの受診をおすすめします。
小児歯科
子どものお口のトラブルにも対応
お子さまにとっては歯医者さんは怖いところ、痛いところというイメージを持っている場合が非常に多いです。
当院では､優しいやり取りや器具になれる練習などを経て、痛みを軽減した治療をするなど、お子さまに配慮した治療環境を用意しております。どうぞ、ご安心してお連れください。
また、兄弟姉妹で来られるお子さまや、小さなお子さまをお持ちのお母さまに、安心して治療を受けていただくため、スタッフがお子さまを安全に見守ります。
子どもの頃から通院されている患者さまが大人になり、ご自分のお子さまを連れてこられることがよくあります。その理由に一つに、このなんとなくの安心感があるのかなと思っています。
子どもにむし歯が
できやすい理由とは
歯磨きが上手にできない
歯を磨くという動作は、意外にも複雑な動きが必要でお子さまだけではまだ自分の歯を上手く磨くことができません。
そのため磨き残しが多くなり、むし歯を引き起こしやすくなります。お子さまへの歯磨き指導と並行して親御さまにも仕上げ磨きの方法をアドバイスさせていただき、ご自宅でも効果的なケアをできるようにサポートしております。
脆く弱いエナメル質や象牙
乳歯は永久歯に比べると柔らかく脆いため、むし歯が進行するとエナメル質や象牙質を簡単に溶かしてしまいます。象牙質までむし歯菌が進行してしまうと、広がるスピードも非常に早く、気づいた時には神経にまで到達していたということも多いです。
残りがちな食べかす
乳歯は永久歯が生えるスペースを確保するために、歯と歯の間の隙間が広くなっていることが多いです。そのため食べかすが溜まりやすく、注意して磨かないとむし歯菌が増殖する原因にもなってしまいます。正しい歯磨きと親御さんによる仕上げ磨きで磨き残しを減らしていきましょう。また、むし歯に負けない歯質を作るために、定期的なフッ素コーティングをおすすめしています。
歯科医院で行うむし歯予防
- シーラント
- シーラントは、歯を削ることなく歯科用プラスチックを歯の表面に流し込み、溝を埋める処置です。食べかすや細菌が入り込みにくくなったり、含まれるフッ素の徐放性の効果で、磨きにくい臼歯のかみ合わせの面や、萌出して間がない永久歯（特に6歳臼歯）を保護する効果があります。むし歯予防に非常に有効な方法です。
- フッ素塗布
- 乳歯の歯質は永久歯に比べて未発達です。そのため、むし歯になりやすく進行も早い傾向にあります。フッ素には歯質を強化する成分が含まれており、定期的に塗布すれば、効果的なむし歯予防が可能です。
- ブラッシング
- 当院では、お子さまの成長段階に合わせた歯磨き指導を行っています。
歯と歯の間や奥歯など、磨き残しが多い箇所をお子さまがわかりやすい方法で楽しく覚えてもらいます。また、仕上げ磨きが必要な年齢のお子さまの保護者の方には仕上げ磨きの方法も一緒に学んでいただきます。お子さまの歯の健やかな成長を、一緒にサポートしていきましょう。 - 仕上げ磨き
- お子さまのむし歯予防には親御さまの仕上げ磨きが欠かせません。
当院では親御さまに対する仕上げ磨きの指導にも力を入れており、お子さまのお口の状態に合わせた適切なケア方法をご紹介しています。むし歯のリスクが高い部位の磨き方や、適切な歯ブラシの選び方、フロスやワンタフトなど補助清掃具の使い方など、詳しくご説明させていただきます。
Point
乳歯の時ほどむし歯予防は入念に行いましょう
乳歯は未成熟で歯の表面が粗く、汚れが付きやすいため、むし歯になりやすいという特徴があります。
また歯磨きの際も、お子さまの機嫌や気分に左右されることが多く、総じてむし歯のリスクが高いと言えます。そのため、定期的な歯科チェックと適切な口腔ケアが重要です。お子様の乳歯を守るためには、親御さまのサポートが欠かせません
子どもの口腔内環境
乳歯と永久歯が混在する小さなお口
子どものお口の中で特徴的な部分は、乳歯の存在です。
乳歯は永久歯に比べると、エナメル質や象牙質が薄いため、外部からの刺激に弱いという構造上の特徴があります。
そのため、むし歯になっていないかチェックすることがとても大切になります。
歯並び
歯並びに対しての意識は年々高まっています。見た目の問題だけではなく、歯並びがもたらす口腔内への悪影響が知られてきたからだと考えられます。近年では子どもに限らず大人でも積極的に歯並びを整える方が多くなってきました。
小さなお口の中ですが、乳歯の下にはすでに永久歯が生えてくる準備をしています。今生えている乳歯の状態が後から生えてくる永久歯に影響を与えることもあります。
例えば、指吸いの癖が抜けないと、歯並びを悪くしたり出っ歯になる可能性が大きいです。乳歯のむし歯が大きくなってしまうと、その下から生えてくる永久歯のためのスペースがなくなってしまい歯がちゃんと並びません。乳歯がひどく細菌感染してしまうと後から生えてくる永久歯が変色したり溶かされて生えてくることもあります。子どもの頃から歯科医院と関わることで、将来的に矯正治療が必要になるリスクを回避することができるかもしれません。
子どもの頃からのオーラルケアの取り組みがとても大切です
歯は健康の基本となる部分です。子どもの頃から適切なケアをしておくことがとても大切です。
当院では、定期検診やフッ素塗付だけではなく、日々のブラッシングの正しいやり方などもお子さまに分かりやすく指導していきます。
また、定期的に歯医者に通うことで、治療への恐怖心が薄らぎ、長い人生の中で切っても切れない歯との付き合いをスタートすることができます。生涯の口腔トラブルでの悩みを減らす取り組みをするためにも、積極的に歯科医院で診てもらうようにしてください。